「基本刑法Ⅰ総論」|概要
著者について
・大塚 裕史(おおつか ひろし)
・十河 太郎(そごう たろう)
・塩谷 毅(しおたに たけし)
・豊田 兼彦(とよた かねひこ)
本書は,判例実務の立場から,基本的な条文解釈力と具体的事例を解決できる事案処理能力を養成できるように様々な工夫をこらした「実務刑法学」のテキストです。(第3版 はしがきより抜粋・引用)
①主たる読者対象や,基本姿勢が明確
司法試験・予備試験合格に向かう人々を主たる読者対象にしており,「判例から学ぶ刑法総論」のテキストである。
又,司法試験や予備試験が法曹実務家の登竜門であることである以上,判例実務の考え方を理解することを最重要項目に位置づけ,学問的個性を完全に排除した「判例説」の立場に寄り添っている。
②具体的な事例が豊富
具体的な判例や事例が多く記載されており,抽象的な概念も,わかりやすい事例とともにあることで,理解が可能になる。
具体的な事例を多く取り上げた「事例から学ぶ刑法総論」のテキストである。
又,論点等の解説に入る前に,事例問題が記載されており,事例問題を用いて解説していく構成になっているため,「どのような時に」問題となるのかについて,しっかりとイメージを持ち,学習を進めていくことが可能である。
③読者の目線に立ったテキスト
一流の執筆陣に加え,「学生モニター」の視点からのアドバイスも柔軟に取り入れ,刑法総論の自学自習や基礎固めに適したテキストである。
よって,刑法初学者やあまり興味が持てない方にもお勧めすることができます。
又,コラムも充実しており,答案構成に必要な要点や,一歩進んだ解説等も豊富です。(初版 はしがきを参照)
「基本刑法Ⅰ総論」|使用法
【じっくり刑法総論を学ぶ場合】…
1講から29講までを通読
【既習者が学ぶ場合】…
3講(犯罪論全体の「見取り図」)から27講までを重点的に読む
【事例問題の解き方を中心に学ぶ場合】…
30講から読み進める
活用法①「学習のポイント」記載部分の理解
各講義の冒頭「学習のポイント」を復習の際に使用し,自分の言葉で説明できるかの確認
活用法②「活字の大きさ」が太字の部分の理解
太字部分はキーワード・キーフレーズになっているため,正確に理解×暗記
活用法③「事例×設問」の活用(Cf:推奨理由⑤)
抽象的な概念や理論を「自分の言葉」で具体的に説明できるようになることが重要
活用法④「図表」の活用で視覚的に理解
抽象的な概念や理論は図表で視覚的に把握することで理解が深まる
活用法⑤「コラム」の活用で深く理解
補足説明,用語解説,学習上の注意点など
活用法⑥「判例」の活用と理解
記載例:◎最重要判例○重要判例 判例百選や最重要判例250刑法|弘文堂を適宜参照
「基本刑法Ⅰ総論」|推奨理由
上述した概要の繰り返しになってしまいますが,
①判例から学ぶ点
・司法試験は「実務家登用試験」であるので,判例説に立つべきであることから。
②事例から学ぶ点
・事例があることによって,よりイメージを持ちやすく,理解が深まることから。
③読書の目線に立っている点
・学生モニターの意見を取り入れており,初学者でも非常に分かりやすいことから。
④多くの先人達が進めている点
・「基本刑法」×「刑法事例演習教材」を使った講義やゼミなどが多く,論述例も豊富であることから。
⑤簡易問題集が付属している点
『基本刑法1 総論』簡易問題集